アッあぶない

日本では、幼児死亡率は世界で最も低い水準を保ち、病気による死亡は著しく減少しています。しかし、窒息、溺死、交通事故死など「不慮の事故」による死亡数には大きな変動がなく、幼児の死亡原因の第1位を占めています。なお、1歳未満の乳児では、出生前後の異常や乳児突然死症候群に次ぎ、「不慮の事故」は死亡原因の第4位で、その内67%が窒息で断然多く、それに次ぐ溺死,交通事故は10%以下でした。

今回は不慮の事故に遭遇して、赤ちゃんが死にかけた状態になったとき、お母さん方がとっさの判断で最初の3分間にすべき救急蘇生法の解説をします。
さらに「不慮の事故死」の主な原因を知り、赤ちゃんを事故から守るための簡単で有効な方法を考えてみましょう。

1.重大な事故が生じたときのABC:救急蘇生の実際

A:(Air way)=気道の確保はできていますか?

事故直後に赤ちゃんが動かなくなった場合には、まず呼びかけたり、体を刺激してみましょう。泣かない、目を開かないなど反応がない場合には、眠っているのではなく意識を失っていると判断して下さい。その場合には、体の緊張がなくなって、舌がのどの奥の方に落ちこみ(舌根沈下)、空気の通り道(気道)を塞いで、呼吸ができなくなります。下あごに指をかけ、上へ持ち上げると同時に、頭を後へそらせると気道が開通します。こうして速やかに気道を確保し、呼吸を楽にしてあげましょう。

B:(Breathing)=呼吸は大丈夫でしょうか?

赤ちゃんの気道が確保されたら、口に耳を近づけ、呼吸の音や息の有無を確認します。また胸が上下に動いているかを目で確かめて下さい。呼吸が停止しているか非常に弱い場合には、赤ちゃんの口と鼻を一度につまんで、少し大きな赤ちゃんでは鼻をつまんで口にお母さんの口をつけます。胸が持ち上がるように息を吹き込んで下さい。その際、一気に息を吹き込みすぎると気胸といって肺の一部が破れることがありますので、お母さん方の頬がふくらまない程度で十分です。練習として少し長めのストローを20~25㎝ほどの水の中に入れその先から気泡がゆっくりブクブクと出てくる程度に軽く吹き込んであげましょう。

C:Circulation(循環)=脈は打っていますか?

手首の親指側でよく脈を測りますが、ショック状態では心臓から遠いため脈を触れにくいことがあります。のどの横の頚動脈や足のつけ根の大腿動脈など大きな動脈に触れて脈を確かめて下さい。心臓が止まって全く脈を触れない、胸に耳を当てて拍動が聞こえない場合には直ちに心臓マッサージを開始して下さい。

1歳未満の赤ちゃんでは、心臓は胸の真ん中にありますので、両乳首を結んだ線より指一本分下に,人差し指と中指の二本を当て、1分間に100回以上、一秒間に2回の目安でリズミカルにしっかり押します。1歳以上の幼児では、乳児で押した場所よりやや臍側を、心臓に手のひらの付け根が当るように手を置き、片手で乳児の場合同様1分間に100回前後リズミカルに押しましょう。いずれの場合にも、背骨にむかって、胸が少しへこむくらい強く押して下さい。心臓マッサージは硬い床の上で行うのが望ましいです。

人工呼吸を1回、つぎに心臓マッサージを5回。これを繰り返し,心臓が動き始めるまで行います。

1 2 3 4

コメントは受け付けていません。